宇宙にはバカが多すぎた

つれづれなるままに

クラシックビギナーが、NHK交響楽団第九を聴きに行った話

 2017年12月27日 サントリーホール

 その日は、かんぽ生命 presents N響第九 Special Concertでした。

 私は、たしか10月くらいにチケット取ったと思います。jazz meet classicの直後ですかね。B席 12500円 くらいだったと思います。10日間くらい「S席しか残ってないのん?たっけーな」と思っていたら、キャンセル?でB席が空いてる!!!ぽち、でした。

 第九の公演は、クリスマス前からいくつか行っているのですが、27日だけはパイプオルガンの演奏が第九の前に入るのです。あと、NHKホールが紅白の準備に入るので、サントリーホールで行われるようですね。

 サントリーホールNHKホールのちがいは後で書くとして

 

 私はその日サントリーホールに初めて行く日だったのですが、乗り換えが、多い…

 というのが正直な感想。地下鉄で行かないと近くないのね。

 なのに、寝過ごしてギリギリになる。遅延とか乗り換え間違えたら終わる!!!!

 と思いながら、適当に準備して出かけました。

 「見た目とかどうでもええやん!!高いチケットが無駄になって見れないほうが大問題やで!!」という意気込みで。

 まあ、コンサートの後人と会う予定も会ったのですが、そんなの気にしない-。第九の方が大事なんです!!高かったんだから!!

 

 なんとか乗り間違えせず着いたサントリーホール。第一印象は

 お、おされ…

 なんというか、外観も内装もちょっと舞踏会にきたみたいやーん!さすがサントリー!お酒のめるやーん!!といった感じ。あれ、私みすぼらしい格好じゃね…?と思ったけど、まあ、誰も見てないでしょ!いっか!!と割り切る…

 むしろシンデレラが綺麗なドレス着てないと愛してくれない王子様なんかこっちから願い下げだよ!!くらいのノリで…

 

 お酒飲むか少し悩みましたが、結構ギリギリだったのでおとなしく席に座って待つことに。その時気づいたんですけど、コンサートホールって、携帯電話の電波は強制的に圏外にされるんですね。結構びっくり。

 

 席はステージの真横真上って感じの2階席。この時点で「近い!!!」と大興奮。

 若干死角はありますが、ぶっちゃけ大東文化会館の4階より、全体が見えるのです。

 なので問題なかったです。

 

 年齢層は高め。中高年~老夫婦が多いですね。値段も値段だしなー。年末だしカップルも多い。ただ、チケット完売のわりに空席目立つなあといった印象。

 

 第一部は、パイプオルガンの演奏。勝山雅世さん。

バッハ/トッカータアダージョとフーガ ハ長調 BWV564 ― トッカータ

バッハ(デュリュフレ編)/コラール「主よ、人の望みの喜びよ」

バッハ(イゾアール編)/アリア「羊は安らかに草をはみ」

バッハ/「天においては神に栄えあれ」― フーガBWV716、コラールBWV715

 バッハ尽くし!全部で40分くらい?

 華奢な勝山雅世さんが、何100倍もありそうなパイプオルガンを操る姿は、大型機械を操縦するようでドキッとします。パイプオルガンの音を初めて聞いた私としては、いろんな音がする!!しゅごい!!と、小学生のような感想でした…

 ただ、40分もね、パイプオルガンだけだと飽きた…

 

 2部はもちろんベートーベン、交響曲第九番

 パンフにちらっと書いてあったんですが

 「なんで日本は年末に第九の演奏会が多いの?」

 「ドイツ語のまま歌うのは難しいけど、ドイツ語に日本語を充てたら意外に歌えたから庶民の間でも流行った」

 みたいなことがさらっと書いてあり、え、タモリ倶楽部的なノリで流行ったの…?と思ったりもして

  

 まず、調律の音が、良い。

 ステージと席が近いのもあるけれど、音がよく響く。

 上空に跳ね上がるような響き方に、ゾクゾクさせられます。楽譜を捲る音まで、よく聞こえる。

 指揮者はクリストフ・エッシェンバッハ。おん?ハリポタにこんな人いたな、って感じの男性でした(おい

 身長、意外に小さいなーと生で見て思う。

 第一楽章、第二楽章は、適度な緊張感のあるメロディーと音。

 鳥の羽ばたきの音のように、バイオリンの弦の音が繊細で、美しい。なのに、メリハリのある、緩急のあるメロディーに対応していて、管も強く繊細で、太鼓の音も綺麗で、うっとりするってこんな感じ?

 音が、空気の振動が全身で感じられます。しかも、その音が脊髄まで響いてきて。

 うっとり聴かせるとこでは、身体の力が抜かれて、激しいところでは脊髄から脳天に向かって音が駆け抜けていくのです。

 

 第3楽章は、クリストフ・エッシェンバッハの言う「天使の旋律」

 本当に、天使の旋律なのです。

 聴いていると、脳みそが溶けるような感覚がして、眠くなる…

 ふあーっと体の細胞一個一個に音がじっくりゆっくり沁みてきて

 「あれ、私音と一体化してて、その中の1割も占めてなくて、めっちゃちっぽけな人間じゃん」と思いました。なにを悟っているんだ。

 

 第3楽章が終わって、合唱の方々が入場。ステージの後ろに並ぶと、ステージ真横の席から近いのです。

 さらに興奮して、第4楽章

 あああああああああああああ、知ってる!!!このメロディ!!!ザ・第九!!

 だけど、コントラバスの低音から入って、オケ全体に広がるあのメロディは私の知らない第九なのです(ちゃんと聴いたことなくてごめんね!)

 微風から強風になって、その風に身体が巻き込まれていくようで。

 全身の皮膚が、痛いくらいに敏感になって、全身が音を感じ取ろうとしているのが、気持ちいい。

 合唱もめっちゃ近いし、絶対普段だったらうるせーわ、って音量なのに、丁度いい。心地いい…

 歌詞の意味とか1mmも知らんけど、声も楽器なのね、と思うくらい心地いい。

 

 時間にして70分くらい。年末のBS放送では70分超えとアナウンスされていましたね。75分くらいはあった気がする…

  

 脱力。した。

 

www.youtube.com

 43分くらいからが、みんなが知ってる第九!

 とりあえず聞いてくれ、ベルリンフィルの第九!!

 

 ってことで、BSでの再放送を見ながら1月定期公演のチケットもお買い上げ-。

 その時の感想はまた今度